6月8日、本日は命日ということで、ご存じ、泣く子も黙るマズロー先生、満を持しての登場です
本書を手に採ったことのない方でも、「欲求の5段階説」について知っている方は少なくないのではないでしょうか
むしろ、知っていても、コチラの原著に向き合った方は少数派かもしれません
何といっても、その分厚さ、500頁を優に超えるボリュームです
それ以上に定価5,500円という金額に二の足を踏んでしまうことも想像できますね
それでも、流石にマズロー先生、これは是非とも手に採っていただきたい名著と断言します
おさらいですが、「欲求の5段階」とは、
人間は自己実現に向かって、以下のように段階的に成長する
という考えです
生理的欲求
↓
安全の欲求
↓
社会的欲求
↓
承認の欲求
↓
自己実現の欲求
15年程前、小生の盟友である浪速の経営者さんは、6段階目に「他者実現の欲求」があると喝破されていましたが、私的に懐かしい想い出ですね
今回のマズロー先生の大著、実践読書術で何度も題材にしているのですが、ある時は序文だけであっという間に埋め尽くされてしまいました
・自己実現者は本質的に柔軟性がある
・自己実現者は「感謝する」ことができる
・自己実現者は生活をより豊かに有意義にしようとする
・人生はつねに価値あるもの
・健康にはあらゆる価値が伴う
・人生は、向上心について語ることなくしてけっして理解できない
・人間は変わりうる存在
・可能性を開発・探求
・人はより高次の性質をもつ
マズロー先生は、本書においてフロム、アドラー、フロイト辺りの考えを引き合いに出しながら、持論を展開していきます
本丸と想える「自己実現的人間」に関する章ではこんなフレーズが
・現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つこと
・認識が絶えず新鮮であること
・神の祝福に慣れること
・手段と目的の区別
・善悪の区別
・子どものように創造的な目で物を見る
・食べることと性を心から楽しむ
・愛する能力と愛される能力
・受容という価値
神とはサムシンググレートと捉えてみましたが、原書ではどのような単語が使われているのか、少々気になるところです
こういう時、今更ですがしっかり英語を勉強しておけば良かったなと想ったりします
そして、愛とは、つまり自己実現的愛
中でも小生が大好きなのは、「第12章自己実現的人間における愛」で展開されるフレーズの数々
・愛や性において楽しむことができるのは、まさに自己実現者の特徴
・人々を互いに引きつけあうのは種の繁栄ではなく、生殖の義務でもなく、人類の未来への発展でもない
・それは、楽しく、ユーモラスで、遊戯的なもの
・それは基本的には快楽であり、喜び
・恋愛関係のなかに見るものは、愛するという偉大な能力と同時に、他者への偉大な尊敬と自分自身への偉大な尊敬の融合したものである
・並はずれた知覚能力の鋭敏さは、恋愛関係の領域においては、主として性と愛の相手において卓越した嗜好という形で現れる
如何ですか!
マズロー先生、イケてますよね
そして、読み返す度に考えさせられるコチラのフレーズと気づきのメモ
・心理学は認知学であり思考学である
・習慣は必要なものであると同時に危険なものであり、有用なものであると同時に有害なものである
・習慣は疑いなく時間や労苦、思考を節約してくれるが、そのことに対する代償は大きい
・習慣は適応のための最上の武器であるが、逆に適応を妨げるものにもなる
・習慣によって節約された時間と蓄えられた労力とが、他の行動を賢く修正するために用いらなければ、何の進歩もない
やはり、人間は恋する心なくして生きていけない
この辺りは、植島啓司先生にも相通じるところですね
恋する心を抱いて実践あるのみ
大著ではありますが、実践読書術にとても適した名著と受け止めています
※直近では生誕記念日でもある、今年の4月1日に再読していましたね
『[改訂新版]人間性の心理学 モチベーションとパーソナリティ』 A.H.マズロー 著 小口忠彦 訳
今回もお役に立てれば幸いです
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