サブタイトルは、『電力王・松永安左エ門の生涯』
「電力王」というより、帯広告にもあるとおり「電力の鬼」という称号に相応しい一生です
本日12月1日は、その「電力の鬼」の生誕記念日にあたります
「電力の鬼」とは、戦時体制で国有化された電気事業の構造改革として九電力会社体制の枠組みを整えた功績を称えた異名です
そんな日に、コチラの伝記を採り上げてみました
読み進めると、その圧倒的な存在感・人物像のみならず、ダイナミックな時代性に魅了されてしまいます
「電力の鬼」を取り巻き、福沢桃介、小林一三という一等の偉人が活躍する、日本の産業界・経済界の一大絵巻といった印象です
中でも「電力の鬼」の生き様は、強烈の一言
95歳で鬼籍に入る直前まで、戦後日本の再建を目的に主宰した私設シンクタンク・産業計画会議に出席していたことが記録に残っています
※参加者も超一流の財界人や研究者等、錚々たるメンバーだったようですね
そんな「電力の鬼」が遺した数々の箴言で、先ず採り上げたいのはコチラのフレーズ
長生きの秘訣は若いうちに女をやめること
それを踏まえ、90歳を超え、いつやめたのかと質問された「電力の鬼」は、
76だ
と真顔で答えられたそうです
そして、こんな凄みのあるフレーズが次から次へと・・・
浮気もせず、酒も飲まず、毎晩家に早く帰って、なんでもハイハイと細君のいいなりになっているような、いわゆる善良な亭主は海外万里の仕事がやれるかどうか、いっこうに役に立たぬ男というのはこういう型が多い
死ぬような大病もせず、命がけで女に惚れたり、臭い飯を喰ったりしたことのない人間は、大したものにはなれないよ
俺はまだ気に入らない奴がたくさんいる。こいつらを叩きのめすまでは、なかなか死ねんな
男性に対して猛虎の如くの一方で、女性には猫の如し。
君子、豹変す
を地で行く一生だったようです
特筆すべきは、終生、女性に対する無邪気なほどの興味とときめきを失わず、ときに敢然として行動されたとのこと
著者の水木楊さんも
松永には、原始日本人のようなおおらかさがある
と評されています
水木楊さんといえば、「海賊と呼ばれた男」の伝記も秀逸です
そして、極めつけは、90歳を超えてもこんな句を詠まれていること
朝マラの立たぬ同士の梅見かな
告別式も葬儀もなし、自宅や墓への献花も断り、戒名もなく、簡雅な墓に
耳庵居士
と墓碑を遺されただけという仕舞の秀逸さ
憧れますね
版元絶版で入手には、いささか値が張るようですが、文句なしにオススメの1冊です
今回もお役に立てれば幸いです
ではでは
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